きっかけはきっと些細なこと。

心の話

子どもの頃、私は普通の子だったと思う。本が好きで、運動が苦手で、友達と放課後遊んで、習い事に行って。
大きな問題もない、そんな子だったと思う。

中学、高校と、思春期もあったのか友達づくりがうまくできなくなった。この頃から、私は私を減点方式で見るようになった。

上手くできなければ減点、納得する結果が得られなければ減点。
減点し続け、自分を下に下に落として行った結果、毎日死にたいと思っていた。

例えば、授業中当てられたけど上手く答えられなかった。

例えば、やろうと思っていたことが時間内にできなかった。

例えば、部活動で思うような進行ができなかった。

ゲーム脳だったわけではない。
でも、死んでリセットしたいと思っていた。
減点される前の点数に戻って、今度はきっと上手くやる、と思っていた。
そしてリセットのために死ななくてはいけないと思っていたし、死ぬことへの抵抗も薄かったと思う。
ただきっかけがなかっただけで。

そんな時に、立ち寄った本屋で見つけたのが宇佐美百合子さんの頑張りすぎてしまうあなたへ、だった。

自分が頑張っていると思っていたわけじゃないが、なぜか表紙から目が離せず、そのまま購入していた。
夜、自分のベッドで泣きながらページをめくった。

決定的に強い言葉があったり、衝撃を受ける本ではないのだが、ゆっくりと染み渡っていく感覚が気持ちよかった。
しばらくはこの本の写真を撮って待ち受け画面にすることで、心を落ち着かせていた。

人は勝手に助かるだけ、これは私の好きなアニメのセリフ。
小さなことだとしても、その人にとっては大事なきっかけで、私はその頃から変わり始めた。

もちろん長年頭に染み付いたリセット思考は簡単に取れないし、今でも減点思考に囚われることもある。
だけど、減点した点を取り戻すことだってできるのだ。

私は私を見る。
良いところも悪いところも、本当のところ私しか知らない。
本当は点数なんてどうでも良いのかもしれない。すくなくとも、まだ死んだら後悔するなって思えるようになったことは、人生の加点になったのだろう。

心の話

Posted by sayukana